クレームが来たら?
接客・販売業に就いている方だったら最低でも一回位は経験した事があるんじゃないでしょうか。クレーム。
最近発売されて、既に結構な売れ行きを見せている本があります。
となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)
- 作者: 関根眞一
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 136回
- この商品を含むブログ (91件) を見る
これを読んで、こっちの本も思い出しました。
- 作者: 川田茂雄
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2003/07
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 49回
- この商品を含むブログ (48件) を見る
- 作者: 森健,川田茂雄
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2004/01/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (16件) を見る
どれも、実際にあったクレームを挙げて、その時どのように対処したか、こういう場合はどういう風に対応すれば良いのかを、自らの体験を踏まえてわかりやすく解説してあります。読み物としても面白い。著者の方は、いずれもクレーム処理を専門になさっていた方たちですので、対処の仕方もとても柔軟です。「お客様に教えられる事が多い。解決したときの充実感が大きい」等、そうかもしれませんが、其処までの心境に達するには相当の荒波に揉まれなければならないのじゃないかと思います。
中公新書の著者の方は元大手百貨店の『お客さま相談室』の方。宝島社の方の著者の方も他社の同様の部門の方です。
大手小売店(百貨店など)だとクレーム処理の専門の方がいらっしゃるので心強いのですが、小さな店だとそうもいきません。上司も先輩も出払っていて、どう好意的に見ても『責任者・己』だった時にそういうお客様がいらっしゃると、半泣きになります。それが仕事だといえばそうなのですが。
もちろんお買い上げ商品が『乱丁』だったり『落丁』だったりした場合は直ぐに交換させていただきますが、時々ちょっと困った方がいらっしゃるのも事実です。「笑顔が気に入らない」とか。どうせいっちゅうねん。今更顔は変えられんわ。あと「声がでかい」そらすまんかった。
多少の優遇(お詫びの品を貰うとか)が楽しくて、主に食品会社を狙ってクレームをつける方もいるようです。そうかー。なるほどー。
ただ、読んでいて思ったのですが、頻繁にクレームをつける方って全員が全員そうではないとは思いますが、『寂しい方』が多いのですね。自分を特別扱いして欲しい方。どうも社会的に高い地位についている方がよくクレームをつけるようです。「自分が意見を言ってやる」「自分の意見を参考にしないこの会社(店)は自分をバカにしている」と。
会社での地位(立場)と、その枠組みから外れたところでの自分の扱われ方の差に我慢がならないのでしょうか。お店側から見たら、お客さまの社会的地位は関係ない(外見からはわからないし)。みんな平等に大切な『お客さま』です。常連のお客さまはいても、特別扱いをする事ってあまり無いと思うのですが(外商部が独立しているような大きなお店は別として)。
販売職についている人間を下に見ている方がいらっしゃるのは事実です。でもその『下の立場』の人間にクレームをつけて、自分に対して謝罪させる事によって、プライドを満足させるというのはとても切ないことなんじゃないかと思います。
もちろん純粋にお客様が正しいこともあるので(たぶんそっちのが多い)、一概に『クレーム(クレーマー)』と片付けるのは乱暴な話ではあります。お店側も頭から決め付けてはいけない。ただ、まず『お客様の立場に立って考える事』で、多少「クレーム来ちゃったよ」という恐怖心からは脱する事ができるのではないか、ともの凄く基本的な位置に意識を立ち返らせるきっかけになる本でした。
書いてて文章が破綻している事に気づきましたが、生温かい目で見てください。そして黙って読み飛ばしてください。
何度も「クレーム」と書いていたせいで「クレーム」が「クレーム」と読めなくなってきた。何この記号。ゲシュタルト崩壊。