ほんやさんの受難
買わずにはいられない
- 作者: 久世番子
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2006/03/25
- メディア: コミック
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たぶん、全国の書店員さんが叫んでると思います。
アンタは私か!アンタ呼ばわりしてすみません。
1巻の時もしみじみ思いましたが、なんか普段の仕事をそのまま描かれているような感じですね。23刷の『ちょっと待って発売日』なんて涙が出ます。
「今日発売の●○どこですか〜」
「・・・すみませんそれうちはいらなかったんです・・・」
ああしょっちゅうさ!弱小なんでな!定期分すら入らなくて他店へ買いにいくのさ。
その日に発売される書籍がすべての書店に入るわけではないのですが、そんな事お客様にはわかりませんものねえ。
注文したものがいつ入るか、とかも、そんなもんアタシだって知りたいわ!と叫びたい。
「美本が欲しい」というネタを読んで思い出したのですが、私も似たような経験があります。
『3枚下ろし』で持ってくる方がたまにいらっしゃいます。『3枚下ろし』。おわかりでしょうか。
「カバー」
「帯」
「本体」
を、吟味に吟味を重ねてそれぞれ別々に持ってくるのです。どれか一つにでもキズがついていたら許せないんでしょうね。主にライトノベルを買うお客様に多いです。
その時も「ああ、まただよ」と思いつつ「お預かりします」と手を出しました。しかし。
「しもんが・・・」
「ハイ?」
「指紋がつくので・・・」
はいいいいい???
お客様自身も本に指紋がつかないように、そっと角だけを支えて持っています。
kさんのファイティングスピリットに火がつきました。ぜってえ文句言わせねえ。
ポケットの中にもちょっと前におろしたばかりのモノが入ってはいたのですが、目の前で、わざわざ袋から新品の手袋を出し、その場ではめ、遺留品を探すケイ・スカーペッタのように慎重に本体・カバー・帯を組み立てます。
「文庫カバーはいかが致しましょう」「お願いします」
丁寧にカバーをつけ、気が緩んだのでしょう、kさんは大変な過ちを犯してしまったのです。
ぱちん
「ああ!」
「(やべっ)」
ついうっかり輪ゴムを。
・・・・
ふりだしにもどる
・・・惜敗。
そして大体において、そういうお客様の去った後の平台は、カバーだの本体だの帯だの栞だの折込だのが散乱して、思わず呪詛の言葉を吐きたくなる状態になってます。自分だけが綺麗な3点セットを手に入れられればそれでいいんですね。せめて組み立てていって頂けないか。
ちなみに富士見FAだったんですけどね。それより、その本私が出したんだから私の指紋がっちり付いてるよ。と。
大きな書店はいざしらず、小さな書店に並んでいる本で、店員の手の触れていない本なんて、ほとんどありません。美本が欲しいのはわかりますが、ホドホドにお願いしたいものです。
しかしどうやって読むつもりだったんだろう。輪ゴムの痕まで神経使うんだったら、多分、本開くのも開き癖が付くからイヤなハズなんだけど。