夏のフェア 1

アクセス数を見て驚愕しました。有難うございます。
すみません、ロクな事書いてなくて。




さて、書く機会を逸していましたが、夏休みも終わりに近づいているので、各出版社の『夏のフェア』の事を。



毎年恒例で文庫の夏の大型フェアをやる出版社がありますね。代表的なところだと集英社角川書店・新潮社。少し遅れて幻冬舎、さらに講談社のミステリフェアといったところでしょうか。秋口になると文藝春秋かな。



私はこういったフェアに付随してくる『小冊子』が大好きです。目録好きなので。で、毎年前年度の小冊子と見比べながら、「何が落ちてる」とか「今年はこれが入ったのか」など地味に楽しむのです。ああ暇だこと。


今手元に集英社角川書店・新潮社の昨年と今年の小冊子がありますが、今日は集英社の話。04年91点。05年は86点。減ってます。



昨年は意図的にいわゆる「名作」を外し、新しい作家の作品を入れてるようでしたが、今年もその傾向ですね。昨年入っていた「銀河鉄道の夜」が外れています。しかし前回外されていた「岳物語」が復活。何かあったんでしょうか。椎名誠は昨年は「春画」が入っていましたが。そりゃ戻されるわ。


昨年・今年両方にエントリーされている作品は


あなたには帰る家がある(山本文緒)  あのころぼくらはアホでした(東野圭吾)  R.P.G(宮部みゆき)  暗黒童話(乙一)  いちご同盟三田誠広)  エンジェル(石田衣良)  学校の怪談(岡崎弘明)  がんばらない(鎌田實)  機関車先生伊集院静)  きもの365日(群ようこ)  救命センターからの手紙(浜辺祐一)  行動することが生きることである(宇野千代)  こころ(夏目漱石)  ここまでわかったボケる人ボケない人(フレディ松川)  こちら救命センター(浜辺祐一)  69sixty nine(村上龍)  嫉妬の香り辻仁成)  死ぬほど好き(林真理子)  シャーロック・ホームズ傑作選(コナン・ドイル)  シュガーレス・ラヴ(山本文緒)  翼はいつまでも(川上健一)  夏と花火と私の死体(乙一)  なつのひかり(江國香織)  人間失格太宰治)  ネバーランド恩田陸)  薔薇の木枇杷の木檸檬の木(江國香織)  光の帝国(恩田陸)  白夜行東野圭吾)  分身(東野圭吾)  ベリーショート(谷村志穂)  鉄道員浅田次郎)  


以上31点。見落としが無ければですが。意外と少ないですね。
なんつうか、おんなじ人ばっかりだと言うのは小声で言ったほうが良いのでしょうか。なんだこの東野圭吾率の高さは。


夏休みは普段本を読まない学生さんが書店に来る確率が多い時期です。課題図書のついでにフェアの文庫を買って下さる機会も多い。そういう方に読んでもらうためには「よく耳にする作家」の「読みやすそうな本」を前面に出したほうが売れる事は良くわかります。でもね、こういう機会だからこそ、出版社のセレクションももうちょっと冒険してもいいように思うのですよ。

昨年・今年両方エントリー以外の、今年新たに追加された作品群を見ても、「お、これを持って来たか!」と唸るような物が少ないのです。例をあげて申し訳ないのですが乙一で言えば、昨年は「平面犬」が入ってましたが今年は外れ、その代わり「天帝妖狐」が入っている。乙一に全く罪は無いのですが、インパクトは無いですよね?もう既に「夏と花火と〜」が入っているので、いっそ一点に絞って別の作家を入れてみてもバチは当たらないと思います。もっと極論を言えば一作家一点とか。(暴言ですわかってますすみません)


集英社に限らず、話題になっていなくとも、古くても、売れていなくとも、出版社の、編集者の方の推したい、是非読んで欲しいという作品を掘り起こして加えても面白いと思うのです。私たちの知らない作品なんてこの世の中にまだまだ沢山あるんだから。こういう機会を逃すのはもったいない。あー、でも売り上げには直結しそうに無いか。



近いうちに角川書店編を書きたいような気がします(弱気)。



えらそうに能書きたれてますが、ワタクシ、半分は読んでません。ごめんなさいね。