完敗

この業界に入って10数年。たいていの問い合わせには対応できるつもりでおりました。



思い上がっておりました。





「ノンフィクション下さい」
「はい、文芸書だとこちらの棚です。文庫だと出版社別になっておりますが、タイトルは」
「ノンフィクションなんですけど」
「・・・どういったモノをお探しでしょう」
「ノンフィクション」
「・・・いろいろございます。学校か何かでご指定のものはおありでしょうか?」
「ノンフィクションって言われたんですけど」
「小説ではなく、実際に起こった事などが書かれた物をノンフィクションと言うのですが、読んでみたい事柄などはございますか?」
「そういうんじゃなくて、ノンフィクションなんですけど」



お 前 は 吉 田 戦 車 か!*1
ていうか、おばちゃんどうしたらいいのよ!会話成り立たないよ!




どうやら「ノンフィクションを読んで読書感想文を書け」、という宿題が出ていたようです。
『赤い雪 総括・連合赤軍事件』とか『三菱銀行事件の42時間』とかの新風舎文庫事件モノを薦めなくてよかった。危ういところだった。


学校の先生、「ノンフィクション」について教えてから宿題に出して下さい。今の中学生、教えられなきゃわかんないんだよ!自分で知ろうとしないんだよ!





前にも


「書籍下さい」
「タイトルは」
「書籍なんですけど!無いならいいです!」


とぶちきれて帰ったお客様がいらっしゃった事を思い出しました。





いやしかし、こういうことを教えるのも書店員の仕事なんだろうか・・・。
日々是勉強。

*1:伝染るんです』参照