新茶の季節

お茶の国で生まれ育ったせいか、この季節になるといつも不思議に思うことがある。


各飲料水メーカーがこぞって出す『新茶』仕様のペットボトルです。
大体「今年の初摘み新茶」って書かれていて、初摘みから直ぐの発売。どう考えたって低価格で販売なんて出来ないと思うんですが。初摘みの新茶の価格って、尋常じゃないんですよ?八十八夜辺り*1から安定してくる。そしてあの発売の早さは何なんでしょう。市場の初取引から直ぐ発売してるんだけど。親戚に茶農家がある我が家ですらペットボトルの早さに追いつかない。どうなってんだ。粉茶を利用してるのかもしれないけど。「初摘み」って書いてなければ何も思わんのだが。


どちらにしろ、「新茶」はペットボトル向きではないと思います。新茶は香りを愛でるものです。ぬるめのお湯で丁寧に入れてゆっくりと口に含むと鼻の奥から特有の香りが立ち上ってきます。この季節のお茶でしか楽しむことが出来ない香りです。出来れば美味しい水で淹れてあげて欲しい。可能ならばお茶の出身地の水で。良い水で淹れるととても綺麗な緑色になります。カルキが入ってると黄色っぽくなってしまうようですね。注意する事は最後の一滴まで徹底的に淹れること。最後の一滴が美味しいのよ。
冷たくすると香りは引き立ちません。冷たいお茶に向くのは八十八夜以降の、しっかりとした味と香りのもの。深蒸し煎茶あたりかな。各種お茶に合うお菓子が色々あるように、温度にも向き不向きがあるのです。煎茶や番茶は熱いお湯で淹れて飲みたいお茶ですが、玉露や高級煎茶を熱湯で淹れてたら、私が飛んでいって張り倒します。お茶なめんな。


新茶の健康な生の葉が手に入ったらてんぷらにしても美味しいですよ。やわらかいから出来る旬の味です。塩でどうぞ。


せっかくなので貼っておこう。
http://www.wbs.ne.jp/bt/chacha/
静岡県茶業会議所のHP。いつ撮影したかわからない「お茶の淹れ方ムービー」がかなり面白いです。


ところで、他の地方の方達は、あまり緑茶飲まないんだそうですね。私は1日2リットルくらいは確実に飲みます。朝起きてお茶。食事中もお茶。おやつ時にもお茶。喉が渇いたらお茶。用途によって茶葉変えますが。しかしどう考えてもカテキン過剰。

*1:立春からかぞえて八十八日目。5月頭くらいでしょうか。この辺りまでを「新茶」と呼びます。八十八夜の新茶は縁起物。