文庫目録を見る6 番外編2


なんというタイミングで発売されたんだ・・・タイトル見た瞬間本気で涙出た。




職業選択の自由というのがあります。小説の登場人物たちもさまざまな職業に従事しています。その職業が小説において重要な役割を果たすときもあれば、無職だと動かしづらいので便宜上その職業につかせた、というケースもあるでしょう。


さて、その職業の範囲が、非常に多岐にわたっている小説ジャンルがあります。はい、ライトノベル、主に女子向けですね。恐ろしく豊富です。



「女子向け」と書きましたが、男子向けのものは意外と固まってしまっているんですね。男の子はどうやら、学園モノか、もしくは異世界ファンタジーが好きなようで、今手元にある角川目録内スニーカー文庫の所を見ても、大雑把にわけると「学生」「戦士」「騎士」が多いようです。あと魔法使い。もちろんそれ以外にもあるわけですが。


ちなみに目録は持ってませんがフランス書院の世界では、女性の職業は、教師、女学生、身内(義母兄嫁実姉妹)、上司部下の妻、白衣。以外は存在しないようですよ。困ったね。困る必要無いけどね。




手元のテキスト、昨日も登場したコバルトと、幸い角川に収録されていたルビー、ビーンズの内容紹介欄から目についた職業を拾い上げてみます(主人公・サブキャラ含)。まずコバルトから。
吸血鬼・ガードマン・医師・モデル・マネージャー・学生・総理大臣(しかも高校生)・剣士・豪族・御祓師(ニセ)・俳優・青年実業家・デザイナー・騎士・王子・魔法使い。


・・・コバルト「ア」行の作家を見ただけでこんなにありました。このまま全部挙げる気力は私にはありません。角川系へ。
バイオリニスト・指揮者・レーサー・理学療法士・高校生・世界的イラストレーター・新人小説家・外科医・内科医・パティシエ・教師・声優・死神・盗賊・魔王・テロリスト・陰陽師・・・・世の中には色んな仕事がありますね。


ビーンズ文庫「今日から魔王」のシリーズは職業が魔王というナンセンスっぷりを逆手にとってギャグとして消化させた、成功例でしょう。これ、シリアスにすると十二国記だもんね。

で、このジャンルは職業が小説世界に大きくモノをいう世界なのです。手を変え品を変えあらゆるパターンで攻めてきますが、現実にある職業を取り上げる場合、高村薫並にとは言いませんが、意外とちゃんと取材はなされている。細部まで読み込む熱心な読者が多いせいかもしれません。逆にいえば、しっかり書き込まないと淘汰されてしまうのかもしれない。ある作品で銃を扱う主人公を出したら、その銃の種類や、発砲した後の弾の残数の誤りも細かく指摘したファンレターが届いた、という話をどこかで聞いたことがあります。


目録見てて気がつきましたが、少女小説って、ハーレクインだったんだなあ。バリエーションが豊富な。「平凡な自分」が「立場上つりあわないであろう男」と恋に落ちる。大体そのパターン。年齢が低いと「ボーイ・ミーツ・ガール」というさわやかな響きのモノなんだけど。


進路に迷っている子羊たちは、「13歳のハローワーク」(村上龍著/幻冬舎*1と共に、このジャンルの目録見ればいいと思う。・・・それはどうだろう・・・







そろそろ飽きてきたことでしょう。
明日で目録話はおしまいです。 

*1:「オススメ職業・マタギ」とか載ってた。どうやってなるのか、本気で知りたかった。