文庫目録を見る4 解説者編

さて、サンジョルディの日*1があったことも忘れてましたが、相変わらず目録のはなし。



出版社によって違いますが、文庫には巻末に解説が載っている事が多いです。手持ちの目録のなかだと、ハヤカワと東京創元社以外は解説者載せています。その作者と親交のある人が多いですが、ノンフィクションの場合は題材になっている事の専門家が書くこともあります。だから「なるほど」と納得できる人選の時もあるし、「どんなつながりで?」といらない想像を働かせてしまう事もあります。

ここで本日の注意書き。
これは実際の解説の内容は考慮しません。あくまでも目録から勝手に感想を述べるだけです。敬称略。


これまであまり取り上げてこなかった文春文庫から行ってみましょう。

まず阿刀田高「明日物語」うつみ宮土理。なんで?この方津本陽の「開国」でも書いてます。
池波正太郎鬼平犯科帳一」→植草甚一というのはかっこいいですね。
椎名誠。22点中14点沢野ひとし。他に友達おらんのか。
東海林さだおは点数が多いだけあってバラエティ豊かですが、「食後のライスは大盛りで」の江口寿史。他人の解説書いてるヒマがあったら中断している漫画描いてくれ、といわざるをえません。
辻仁成は3点中解説付きは2点。名前から察するにお二方ともフランス人。ふうん。
中島らも「永遠も半ばを過ぎて」山内圭哉。しみじみ。リリパットアーミー
中村うさぎ「ショッピングの女王」ピーコ。唯一にして無二。
山村美沙「京都島原殺人事件」山村紅葉。これ読みたいなあ、解説だけ。


光文社
北沢拓也。17点中解説付き16点。全て澤村健。清々しい。内容はハードロマンだけど。解説者もアレだけど。ちなみに澤村氏、豊田行二でも大活躍。
朝松健「五右衛門妖戦記」えとう乱星。ていうか、大変申し訳ないけど、私この方の名前見るたびに笑ってしまう。*2
鳴海丈の矢萩貴子と笠井あゆみというのはすごいな。内容勝手に想像する際に、かなり方向が偏る。


集英社は収録作家のカラーもあるんでしょうが、他の出版社に比べて芸能人の方の率が高いようです。
秋元康。全4点。古館伊知郎・高田真由子・斉藤由貴中村江里子。こうでなくっちゃ。
定金伸治「ジハード」全五巻ですが、乙一が全五巻解説連載。この史上初のバカバカしい試み。大好きだ。
仁川高丸「微熱狼少女」橋本治。きゃあ。もう一点のほうは松本侑子。こっちもきゃあ。
山本文緒落花流水イッセー尾形。謎。


幻冬舎
百瀬博教「プライドの怪人」水道橋博士。あなたが書かずに誰が書く!
麻枝光一「マリファナ青春旅行」中島らも。・・・まったく。


講談社は意外にも「当然」な人選が多いです。イマイチ面白みに欠けますが、
殊能将之「美濃牛」の池波志乃ってのは!まったく判らん。森博嗣封印再度」にも書いてらっしゃいますな。森博嗣は結構バラエティ豊かですね。土屋賢二米沢嘉博冨樫義博(!)新谷かおる(!)・羽海野チカ(!)等。
橋本治恋愛論橋本治。ご自分で書かれますか。
永倉萬治「黄金バット柳美里。ちょっと泣きそう。


新潮社
大槻ケンヂ「めくるめく脱力旅の世界」掟ポルシェ。わはは。いいなあ、この狭い範囲からの人選。
大沢在昌「らんぼう」西原理恵子。絶対まともに書いてない。
酒井順子「制服概論」宮嶋茂樹。どういうつながりかさっぱりわかりませんが、本文に自衛隊の制服の話とか出てくるのかな。とりあえず不肖宮嶋は「解説」はしてないと思う。
斉藤政喜「犬連れバックパッカー中島誠之助。何故!
新潮45編集部「殺人者はそこにいる」岩井志麻子。しみじみとこわいよこの人選。
柳美里「生」四部作のうち一度は書くよねえ当然。町田康
米村圭伍「退屈姫君海を渡る」ペリー荻野。ぴったりな感じがする。



ざっと流して取り上げてみたわけですが、これ読み込んでくと止まらなくなりますよ。


共通して言えることは、ミステリ系の解説者は新保博久率高し。当然といえば当然なんですけどね。北上次郎も。少数の影響力のある書評家にやっぱり集中してしまうんでしょうね。












何度も何度も読み返して確認してからアップしているのに、どうして毎日間違いがあるのか。下書き意味無し。もう自分に嫌気がさすわ。ホントすみません。誰からも指摘されませんでしたが、直しました。この日記、10日後くらいに見ると、完璧になっているのかもしれません。・・・おかしいなあ。正しい書名を書いたハズだったのに。なんでアッチを書いちゃってたんだろう。「ダリ繭」じゃなくて「海奈良」です。ごめん。「海奈良」2種持ってんのにねえ。

*1:4月23日。定着しないこと甚だしい。

*2:ときめきトゥナイト」参照