約三十の嘘

  • 今日の買い物
    • CD「1-2-3-4 MOTORWAY」 MOTOR WORKS
    • DVD「BRAND-NEW MOTOR SHOW」 MOTOR WORKS 


サービスデーだったので会社帰りに映画を観てきました。「約三十の嘘
首都圏では昨年末に公開だったと思うのですが、田舎なので今頃になって漸く公開。来た事自体が驚きだ。ミニシアター系をこの市の映画館でやるなんて。時代は変わった。

約三十の嘘」は6人の詐欺師の物語です。といっても、お仕事の様子ではなくて、行きと帰りの電車の中で起こった事を描いています。
6人のメンバーが集まり、作戦を立てる(北海道で布団販売)「行きの車内」。トンネルを抜けると一転、仕事を終えた「帰りの車内」に。そして大金の詰まったトランクから、中身だけが忽然と消える。6人の中には、信頼を確認する「儀式」があり、容易にトランクは開かないようになっています。さて、だれが犯人か。物語はすべて走行中の列車内のみで進行して行きます。密室劇ですね。ただ、これはいわゆる「犯人探し」の映画では無いです。犯人なんて登場した瞬間に「こいつだ」と見当がついたし、その後の展開も(お金の行方に関しては)大体予想の範囲。ミステリとして観るのではなく、6人の人間関係や、信頼関係の亀裂からチームとしての再生への一人ひとりの気持ちのありようを観るものだと思います。

MONOの土田英生が脚本を書いたこの作品は、元は舞台劇だったそうです。
出来ることなら舞台で観たかった。映画のように豪華なキャスト(椎名桔平中谷美紀田辺誠一妻夫木聡八嶋智人伴杏里)じゃなくても、地味で演技力のある俳優がやるともっと緊迫感が表れてくるのではないかと思うのです。別にこのキャストが悪いわけではないのです。私だってキャスト目当てで行ったし。でも「密室」という制限された中ではどうしたって役者のスキルがモノをいう。天気や風や木で「その他」の部分を表現してくれるわけじゃないから。

面白くないわけではないのですが、焦点がぼやけてしまっている。長いわけではないのです。最近の映画にしては珍しく1時間45分という短さ。
椎名桔平中谷美紀、そして妻夫木聡の関係を見せたいのであれば、妻夫木の(役の)存在が弱すぎるように思います。結局最後は「な〜んだ、痴話喧嘩なんじゃん」と思ってしまいました。私は。
しかし八嶋さんは達者ですね。あと田辺誠一のスベリっぷりがちょっと面白かった。
それと「ゴンゾウ」(気持ちの悪いパンダの着グルミ)の中の人がわかって満足。アホだ。

中谷美紀の美貌を観に行くのもいいかと思います。いやあ、美しかった。最後の涙がもう。