田舎モノの主張。

konegi2006-04-30

近くに山があり滝があり湖があり牧場がある、県下では一応観光地として認識されている所に住んでいます。
とりたてて名所旧跡など無いこの鄙びた土地に、皆さん何しにいらっしゃるかというと、『山歩き』なんですね。


『こごみ』ってご存知でしょうか。おひたしにして酢味噌で食べると、とても美味しいものです。これはご存知でしょう『タラの芽』。天ぷらに最適ですね。写真は『コシアブラ』。これも天ぷらで食べられます。この時期は多くの山菜が採れます。



どこからともなくやって来て、がさがさと林や藪に分け入り、「あったあった!」とその場に生えているワラビやゼンマイやタラの芽を『根こそぎ』採っていく。そこが私有地だろうとお構いなしです。
ちょっと待ってください。『根こそぎ』採っていったら、もう次の年、そこにはタラの芽は出てこないんですよ?『最後のひと芽』を採ってしまったら、枯れてしまうんです。



地元の人たちは『来年用』を必ず残しておきます。別に『山への感謝』という大層な志ではなく、『来年も採りたいから』。山歩きにいらっしゃる方々、来年も山菜採りを楽しみたくはありませんか?『今の自分』だけが良ければそれで良いんですか?良いんでしょうね。考えてたら山を荒らしたりはしないし、ましてや私有地に踏み入って『育てている』山菜を盗んで行ったりはしない。自宅の庭で育てているお花を勝手に根こそぎ盗られてたら、どういう気持ちになりますか?同じです。



確かに山菜採りは争奪戦です。さっきあったはずのものが、1時間後には無くなっている、というのなんか、日常茶飯事です。「採っておけば良かった」と思うのも無理はありませんし、せっかくだからあるだけ沢山採って行きたい、というのもわかります。でもね、もうちょっと冷静になりましょう。見つけた場所に、少しだけしか残されていなかったら、そこはもう誰かが採って行った後です。残念だとは思いますが、残しておいてあげてください。来年また楽しむためにも。




それから、テレビの影響かもしれませんが、都会から来た方たちはどうやら『地元の人とのふれあい』に過大な夢を持っておられるようです。『地元の人たちと触れ合って、その場で地場産品もらっちゃおう』。こちらから言わせていただけば、「?」です。見ず知らずの人間に、そう簡単に農作物あげる人なんて、あんまりいないんじゃないでしょうか。大きな連休中なんて、ただでさえ静かな生活を乱されて、良い思いをしていない人が多いんです。だから「あのおじさんケチだよねー。ちょっとくらい何かくれたっていいじゃない」とか思わないでください。



大挙して車でやって来て、生活道路を渋滞にし(今みんなカーナビ付いてるから狭い道でも入ってくるんですね)、自然を愛でに来ているのにその自然の中に自分が持ってきたお弁当等のゴミをそのまま廃棄。『バーベキュー禁止』と書かれている水辺でバーベキューして大騒ぎ。もちろん全ての方のマナーが悪い、なんてことは全く思ってません。ただ、そういう方もいらっしゃるのも事実なんです。



大騒ぎしたければそれが許される場所へ行ってください。自然の中を散策したいのなら、自然をそのまま感じて行ってください。これは特にウチの近辺だけじゃなく、他のどの山間部でも言える事だと思います。どこにいても、何をしていても、日常生活でも、『節度』って必要だと思うのです。




去年があまりにも酷かったので(信号の無い生活道路から渋滞中のバイパスに出ようとして、ちゃんと挨拶して入ろうとしたら、クラクション鳴らされて怒鳴られた。お前の前に入りたいんじゃない!反対車線に出たいだけなんだ!車動いてないじゃないか!←一例。その後5分くらい誰も通してくれなかった)、今年はGW初めに書いてみました。田舎の人間の戯言って事で、許してください。