まいどあり

konegi2006-03-15

光文社文庫江戸川乱歩全集』を全30巻一気にお買い上げ頂きました。すごいなあ。かっこいい。こういう買い方一度でいいからしてみたいものだ。お友だちになりませんかお客さま!(おい)
この全集、個人的にとても好きなので(デザインも手触りも)、なるべく切らさないようにはしていたのですが、既刊一気に全部売れるとは思っていなかった。嬉しい。刊行中にこつこつ買っていかれてた方はいらっしゃったんですけどね。


乱歩は小学校の図書室にあったので、『少年探偵団』シリーズ(『人間豹』が一番好きだ!)は読破していたのですが、その他のものはずっと大人になってから読みました。そういう読み方で正解だった。『パノラマ島綺譚』とか『孤島の鬼』なんて、子どもの頃に読んでたら絶対トラウマになってたよ。あの切なさは子どもには難しかっただろうし。


一番心に残って、何度も何度も読み返した(そして今でも時々読み返す)のは『押絵と旅する男』です。ベタですな。短い話なのですが、読むたびにどこか辛くて鼻の奥がツンとする。未読の方は是非読んでいただきたい作品の一つです。まあ、好みもありますが。
ずいぶん前に映画化されて、それも観たのですが(『お兄さん』が飴屋法水だった。ナイスキャスティング!)、なんというか、「うん、これ映像化難しいよね・・・よくがんばったよね・・・」と監督をねぎらいたくなるような出来でした。映画だけ観た人は絶対わけがわからなくて、ぽかん、としてしまうと思います。どうしても乱歩作品の映画化は『雰囲気重視』になりがちですね。『浅草十二階(凌雲閣)から遠眼鏡で「覗きからくり」を眺める』シーンや『魚津の蜃気楼で関係者勢ぞろい』のシーンはとても印象的でしたが。でもこの映画けっこう好き。





しかし棚がすっぽり空いてしまった。困ったなあ。光文社あんまり在庫持ってないんだ。佐伯泰英を面で出そうかな。いや、この際矢崎存美の『ぶたぶた』シリーズ(大好き!)を徳間のヤツと合わせて面にしてしまおうかしらん(やりたい放題)。