自業自得

毎日掃除していても、本というのはかなり汚れています。素手で作業しているとあっという間に手が黒くなる。手袋して背表紙拭いたりすると、面白いくらいです。したがって頻繁に手を洗う事になるのですが、その所為でしょうか、夏はそうでもないのですが、冬になると毎年『アカギレ』が出来てしまうのです。痛くて痒い。


普段はハンドクリームを用意しておいて、洗っちゃ塗り洗っちゃ塗りしているのですが、今日はあいにく切らしてしまっていました。なんかないかな、と通勤バッグの中を引っ掻き回していると、小さなケースが見つかりました。中に白いクリームが入っています。
そういえば数年前、当時の同僚が「すごくいいんだよこのハンドクリーム。ちょっとあげるよー」と分けてくれたのを、もったいないので大事に使っているうちに存在を忘れてしまっていた事を思い出しました。それこそもったいない。


何年も前のものなのでどうかな、と思ったものの、腐っちゃいないだろうと、一応見てみることに。


うーん、見た目は平気みたいだ。分離してるっぽい気もするがそれほどじゃない。匂いも不審な感じは無いな。使ってみるか。クリームを掬おうとケースに指を入れたところ、手につかない。なんかつるつると表面ですべる感じなのです。蝋が固まる前のちょっとやわらかい状態に似ているでしょうか。貰ったときはそんなんじゃ無かった気がするのですが。しかし今私はどうしても手に潤いが欲しいのだ。あまりにガサガサで既に血が滲んでいる状態なのだ。


強引にこそげとり、手の甲に塗りこめました。なじまないかな、と思っていたのですが、意外にスッと塗りこむ事ができ、なんだ、大丈夫じゃないか、とその上から手袋をして仕事に戻ります。


30分後、どうにも手が痒い。手袋を外してみると、甲が赤くなっています。もしかしてあのクリームのせいか。遅いかもしれないと思いつつ慌てて手を洗ってみるも痒みはおさまらず。うわー、止めときゃよかった。


帰宅した今、すっかりかぶれてしまいました。余計に痒いよ。


悔しかったので母に「これ良いらしいよー」と黙ってクリームを使用させてみました(鬼だ、私)が、数時間経っても何の変化も無し。かえって「これすべすべになって良いねえ」と喜んでいる始末。なんだよ私だけかよ。




教訓・アレルギー体質等、自分の健康に自信の無い人は、不審なブツは使用してはならない。身を滅ぼす。










あ、余談ですが、本が傷んでいたり汚れたりしているような気がするからと言って2番目あたりから取る方はたくさんいらっしゃるとは思いますが、日焼けを防ぐため割と頻繁に上下入れ替えをしている場合があります。あなたが取った上から2番目の本。それは直前まで一番上に有ったモノかも知れませんよ。悪しからずご了承ください。
いわゆる『美本』が欲しかったら一冊づつ確認する事ですが(でも誰の手も触れていない本なんてあんまり無いよ。よっぽどの大量入荷以外。)、そんな事をしていると店員に思いっきり嫌われます(そういう人に限って乱した平台直さないしな)。悪しからず以下略。