背表紙のお話。

 


文庫の背表紙、ありますよね。全部同じ色で統一された出版社*1や、ジャンルごとに色分けしている出版社*2もありますが、今日は作家ごとに色分けされた出版社、新潮社の話。

新潮文庫の背表紙は作家ごとに色が違います。村上春樹なら「青」三島由紀夫なら「オレンジ」というように。これ、実は一番最初はすべて「白」だという事をご存知でしょうか。

新潮文庫から初めて文庫が出る場合(1作目ですね。通し番号「○-○-1」)。まず背表紙は「白」です。例外はあるとは思いますが、ほぼ白。どの作家でも。
2作目が出るときに初めて、色がつきます。この時点ではまだ1作目は白のままです。1作目の背表紙に色がつくのは2作目が出た後初めての重版から。

だから書店の文庫の棚を見て、「○-○-1」が白いのに「○-○-2」が色つきだった場合は、2作目が出たばかりで1作目がまだ重版されていないか、若しくはその店では全く売れてないため、重版しているにも関わらず棚回転されていないかのどちらかです。1作しか出ていない場合はいつまでも白。


もちろん「全て」ではありません。著作が多いにも関わらず背表紙「白」のままの作家もありますし*3、1・2巻が同時発売の場合、「2」も白です。1作しか出てないけど色がついてる方もいらっしゃったように思います。名作系だと特に。


新潮文庫の棚の前で、白い背表紙を見て、「この作家は何色になるのかなあ」と想像してみるのも面白いかもしれませんね。続作が出そうな作家に限りますが。




実はこれ、なんとなく気づいている方結構いらっしゃるんではないかと思われますが、確証が得られなかった。最近「正しい」という事が証明されたので、書いてみました。気にしている人ほとんどいないと思いますが。






知ったところであまり役に立たない豆知識でございました。

*1:角川等。

*2:創元推理等。

*3:例・「フロイト」。「F」って緑で入ってるけど。