エマ

ネットを徘徊していたらやけに皆さん楽しそうだ。何かと思ったら今日はエイプリル・フールだったのですね。今の時点で既に日付変わってますが。楽しみ損ねた。

このところ何人かに立て続けに「読んでないの?読みなよ!」と薦められたマンガがあります。それが今日購入した「エマ」。そんなに面白いならと、コミックスを買いに行ったらどこにも無い。かろうじて新刊の5巻があったのでそれは買いましたが。何故だ。最後には私も意地になって、古書店含め2市6軒の本屋を駆け巡ってしまいました。でも無いんだよ!いくら推理小説を最後から読む私だって、5巻からじゃ意味わかんないよ。連載中のマンガは最初から読みたいのだ。これじゃまるで「メメント*1を映画館で観るようなもんじゃないか!そうか?
で、しょうがないのでノベライズを購入。やっぱコミックス読んでから小説読んだほうがいいのかなーと思いつつパラパラと中を拾い読みしたら文章が上手い。小説として独立した意思を持っているというか。原作に敬意をはらったきちんとした小説。誰が書いたんだと著者を確認したら「久美沙織」。上手いわけだよ!
私はアニメやコミックスのノベライズにはわりと偏見を持っているほうだと思います。あんまり文章を信用していないというか。全部がそうだとは言いませんが(乙一が書いているという「JOJO」のノベライズは激しく楽しみだ)。軽く書かれてしまっているものも多いと思うのですよ。ある一定のファンだけに向けて発信しているような文章。せっかく材料が用意されてるのにもったいないと思ってしまうのです。コミックスとは別の世界を構築できるかもしれないのに。
誠実に書いた文章は活字に影響を与え、本の重みに反映するような気がする。文章の重量って、やっぱりあるんですよ。


で、この小説版「エマ」。「英国ヴィクトリア時代が舞台」「身分違いの恋物語」という持っていないも同然の基礎知識でも、普通の小説として「入っていける」文章です。もちろんコミックスの「エマ」のファンの方はいろいろと言いたい事もあるでしょうし、私もコミックスを読んだ後、こっちを読んだら意見が変わるかも知れませんが、「このぶんだと『エマ』はめちゃくちゃ面白いマンガなんじゃないか」と小説を拾い読みした時点では確信に近いものを感じています。



県庁所在地行ったらコミックス売ってるだろうか・・・。

*1:10分しか記憶を保てない男が主人公の映画。「結果」からはじまり、そこに至るまで何があったかがその後展開される。10分しか記憶のない男の記憶のため、非常に細切れのシーンがつなぎ合わされていく。あっと驚く結末(というか始まりというか)が用意されているが、DVDで時系列を確認しながら見ないと全く意味がわからない。