「鈍獣」鑑賞

休日でした。せっかくなので溜まっていたビデオを消化することに。
「徹子」に出ていたヒロシ。「はなまる」に出ていたヒロシ。「エンタ」に出ていたヒロシ。なんだそんなにヒロシが好きか。大好きだ。どうでもいいが何故最近「エンタ」にハローケイスケが出ないのだ。ニーズは私だけなのか。


さて、メインはこれです。WOWOWでやってたのを録ってもらった「鈍獣」。
昨年パルコ劇場でやった、クドカン脚本・河原雅彦演出・古田新太生瀬勝久池田成志出演のお芝居です。面白かった!!ぜひとも生で観たかった。チケット争奪戦に敗れて涙を飲んだのですが、オークションで競り落としてでも観れば良かったなあ。役者が達者で脚本が上手くて演出が良いと、最初から最後まで安心して観ていられますね。女性陣では西田尚美と野波真帆の演技力は安心して観ていられるので心配はしてなかったのですが、乙葉大健闘!アテ書きの効果や、「生で観てない」というのもあるとは思うんですが、こんなにちゃんと演技が出来るとは思ってなかった。済みませんでした。
しかし後半、カメラワークに酔ってしまった。不安定で不気味な要素を出したかったんだろうけど、気持ち悪いよ、あれ。


池田成志の役は「こどもの一生」の山田さん(古田新太)をちょっと思い出させた。結局どう(誰)なの?という不気味さを残すのも良い。怖いよー。全員が、限界の不条理のループの中で突き抜けて、壊れていく様が。
たぶんもう西田尚美(の役)はこの閉じた世界から抜け出す事はできない。すでにこの不条理ループに組み込まれてしまったから。

このシチュエーション、どこかで観たなーと、記憶の倉庫を探ってみたら、映画「殺したいほどアイラブユー」でした。ケビン・クラインの。あれも同じモチーフですよね。コメディだけど。


しかし重ねて書くけど、ホントに上手いな。ねずみの三銃士。次作があったら大都市ばかりじゃなく地方都市回ってくれないかな。何箇所かは観に行くよ。同じ古田&生瀬コンビの「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」の時みたいに。




「再演はしない」(鈍獣に限らず)と言い切る生瀬氏に潔さを感じます。色紙にも書くんだそうな。しょっちゅう再演を繰り返すどこぞの劇団に聞かせてやりたい。別に再演が悪いわけではないんですが、頻繁だとねえ。いくら改定を加えているとはいえ、新鮮味は薄れますよね。「ついこないだ演ったばっかじゃん」ていうのを繰り返されてもね。役者が違ってると言っても限度がある。「この作品は新人役者の登竜門」とか言われてもそれは劇団の都合で観客には関係ない。その劇団のコアなファン以外は役者の成長物語ではなく、完成された芝居を観たいのだ。


6・7年経っている上で、さらに大幅改定するとか、10年以上経ってから元通りの脚本をそのまま上演して当時の思想を突きつけて現代に問い返す、とかなら面白いと思うんですけどね。