POP

POPを描くのがとても苦手です。
「あー、これ良いなあ、薦めたいなあ」と熱く思った本でも、POPカードを目の前にすると、どう描いて良いのかわからない。



目を惹くPOPを描くのにはセンス(デザインだけでなく、言葉の選び方も含め)と、テクニックが必要です。あと、POP向きの字かどうかもわりと必要かもしれません。
私の字はどちらかというと『大人文字』で(別に上手くはない)、時代小説等のPOPに筆ペンで縦書きするのには向いてるんですが、ライトノベル、特に少女小説にはまるっきり向いてないんですね。で、補うために絵の一つも描けりゃあ良いんですが、これも描けない。
あと、ぺーぺーの頃師匠に「POPに使う色は3色まで。それ以上使うと鬱陶しくなる」と言われた事があり(10年程前の事です。今はそんな事無い)、そんな事も相まって今でもカードを前にすると途方に暮れてしまいます。気にしないで心の赴くままに描けば良い事なんですが。
何か気のきいた惹句の一つも出てくれば、文字とカラーペンでの縁取りだけでごまかす事も出来るので、そんなに悩まないんですけどね。



さて、今日はお休み。自宅でゆっくりPOPの一枚も描いてやろうか、と、職場からPOPカードを持ち帰ってきました。毎年100冊に入っているものの、あまりにも有名な作品であるが故にかえって一向に売れない名作です。
久しぶりにパラパラと読み返して(会社から持ってきたのではなく、己の蔵書ですよ)失敗に気が付いた。


涙が止まらねえよ!!



洟まで出てきた時点で「ダメだー!!」と本を閉じてしまいました。POPを描くどころの騒ぎじゃありません。描こうと思ってカードを前にして思い起こすだけで涙が出る。今これ書いてる時点で涙腺が怪しい感じです。子供の頃読んで、結構好きで当時何度も読み返していたのですが、大人になって読むと、また感じ方が違うんですよねえ。視線が違うから。ちくしょう、何で売れないんだ。



心が震えすぎても、POPって描けないものなんですよね。そういえば私、『聖の青春』(講談社文庫)の時も、どうしても描けなかったなあ。というか、『どうしても描けない』という、それを書けば良いのでは、とも思うのですが(でも文字にすると薄っぺらになってしまうような気が。文才があればいいのに!)。



さて、kさんが描けなかった名作とは、何だったでしょう。