絵本のお菓子


MOEの特集が『絵本に出てくるお菓子』で、つい購入。
子供の頃読んだ絵本に出てきたたくさんのお菓子や食べ物って、どうしてあんなに美味しそうだったんでしょうねえ。


ぐりとぐら』(福音館)のカステラや『ちびくろ・さんぼ』(瑞雲舎)のパンケーキはもう当然。私が好きだったのはMOEの特集にも出ていますが、かこさとしの『からすのパンやさん』(偕成社)。大好きで何度も何度も読みました。出てくるパンが全部可愛くて楽しくて美味しそうで。パンの焼ける香ばしい匂いまでしてきそうです。78年初版ですが、今でも現役で頑張っている絵本の一つ。


リンドグレーン著『長くつしたのピッピ』(岩波・ポプラ他)の『ショウガいりクッキー』もステキでした。すっごく美味しそうで母親に作ってくれとせがんだものの、はぐらかされ(よく考えたらウチの母はお菓子など滅多に作らない人だった)、憧れ続けてたのですが、大人になって食べたところあまり好みではなく、『あこがれのお菓子』のままにしておけばよかったと思った事があります。しかし描写はとてつもなく美味しそうなんだよなあ。ピッピが豪快に作っているからかな。


お菓子では無いのですが、松谷みよ子著『モモちゃんとアカネちゃん』シリーズ(講談社)に出てくる『おいしいもののすきなクマさん』がつくるシチュー。
いまでも本気で食べたい。木の器で木のスプーンでふうふう言いながら。嗚呼美味しそう。今に至るまで、あんなに美味しそうなシチューの描写読んだ事無いです。何度モモちゃんたちに嫉妬したことか!


アンドレ・モロア『デブの国ノッポの国』(集英社)も、うっとりした覚えがあります。お兄ちゃんが行った『デブの国』の方の食べ物。「そりゃ太るわ」と云うようなカロリーの高そうな、でも美味しそうな食べ物の数々。『ノッポの国』の方は粗食なんですよね。それでお互いが気に食わなくて戦争しちゃうんだ。



あと『赤毛のアン』に出てくる『いちご水』が印象に残っています。アンが『いちご水』だと思い込んでダイアナに『ぶどう酒』を飲ませてしまって、ダイアナが酔っ払ってアンが怒られる、というヤツ。私はいちごが苦手で、しかもアン自体が好きじゃ無かったのですが(ダイアナに感情移入してた。アンみたいな友達がいたら腹立ってしょうがないと思いつつ読んでた。傲慢な子だったな)、この『いちご水』は不思議な謎の飲み物としていまだに私の中に君臨しています。なんだ『いちご水』って。いちごジュースじゃないんですよね?
子供の頃読んだだけで大人になってから読み返してないんですが、これ子供用ダイジェスト版のみの記述なのかな。新潮の村岡花子訳だと別の飲み物になっているんだろうか。


書いていくとキリが無いですね。


こういった『絵本(本)に出てくる食べ物のレシピ』と云うのはやはり一定の需要(懐古趣味もあるか)があるようで、つい先日も 宝島社から『絵本からうまれたおいしいレシピ』(1・2まで有)という本が出ていました。ぐりぐらのカステラとかハイジの白パンとか載っているのです。子どもと一緒に作るといいかもしれない。絵本に出てきたお菓子がリアルで現れると子どもはきっと嬉しくて興奮すると思うなあ。私もちょっと心動かされました。


作りゃしないんですがね。