漸く
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というわけで、『愛・地球博』に行って来たのです。
全体的に巨大な物産展でした。
朝6時ごろ家を出た時には何とかもちそうだった天気も、会場に着く頃には小雨ぎみ。入場待ちの列に並んでいたら一旦土砂降りになってしまいました。直ぐに小雨に戻りましたが。40分ほど待ち、セキュリティチェックを受け、家を出てから5時間過ぎて漸く場内に入れました。いくら隣の県だと言っても、ウチからだと東京へ行くほうが圧倒的に近いなあ。
いいかげんお腹の空いていた我らはとりあえず何か食べ物を!と、手近なコモン1「アジア」へ。同行の友人が食べたがっていたスリランカの「ゴダンバ」というモノを買ってみました。ナンに似たパンのようなモノの中にカレー味のじゃがいものペーストとその他の野菜（要はコロッケの中身ですね）が入っている、女性の握りこぶし大の、なんというか、惣菜パンみたいなもの。ちょっとスパイシーなソースをつけて食べます。結構美味しかった。私たちが買ったのは野菜ゴダンバだったんですが、他にもあったような気がします。もう一回食べてもいいな。それを一個ずつ食べた後、まだ食べられそうだったので、今度はネパールの「モモ」を。カレー風味の小龍包ですね。美味しいんだけど、量が多い（1パック8個入り）。これ単品売りしてくれればいいのに。2個くらいなら美味しく頂けるんだけどねえ。3人くらいで1パックがちょうどいいかもしれません。2人だと多い。
各パビリオンの中や脇に、手軽にテイクアウトできるお店がついている事が多いので、「レストランに入ってちゃんと食事」をしなくても、買い食いでお腹いっぱいになります。各国のファストフードがちょっとずつ食べられるのでこの方が楽しいかもしれません。ビールもあるし。
お腹もいっぱいになったので、漸くパビリオンを見て歩く事に。企業や、マンモスなどの人気パビリオンはどうせ混んでるだろう、とハナから見る気もなく、「なるべく空いている所」「待たずに入れる所」のみを選択して見て歩きました。
空いている所はまあ、それ相応の展示ですね。自国の紹介等はそこそこに、とにかく日本円を稼いで帰ろうという、ある意味たいへん清々しいお土産物屋っぷりでした。そういう姿勢がもの凄く面白かったのですが。値段のついてないモノを交渉して買っていく、というのは普段やった事が無いのでエキサイティングです。どきどきしながら値下げ交渉してみたり、値段を下げさせた上に買わなかったり（ひでえ）。国によって客引きの仕方も違うんですね。強引なまでにフレンドリーだったり、こちらが手に取る商品をじ〜っと見ているだけだったり。
キューバでお酒を立ち飲みして喉を潤し、ポルトガルのカウンターバーでビールを飲みつまみを食べ（お気づきかと思いますが、朝からシラフじゃありません。ポルトガルのビールはこっくりした味で美味しかった）、土砂降りの中会場内を意地になって一周。行ってみたかったベルギー（友人はワッフル、私はベルギービール目的。しかしビール1400円ってどういう値段設定なのさ）やドイツは当然入れず。リトアニアなんて休憩所状態だったのにねえ。
大体一周したし、会社にお土産でも買おうか、モリコロのイラストがついた饅頭とかでいいよね、と公式グッズ売り場へ行ったら
なんだよこれ！マ ン モ ス よ り 混 ん で る よ!*1
たぶん場内最大手でしょう。先に商品を選んでカウンターへの列に並び、会計まで1時間近く。
この日一番並んだパビリオン、それは公式グッズ売り場。
会場ないの通路のあちこちにちょっとしたグッズを売っているワゴンがあるんですが、食べ物等の『当たり障りの無い』土産物は売ってないのですね。
雨でずぶぬれで殺気立っている群集から抜け出した時点でもうエンプティ寸前。早めの夕飯食べて帰ろうかと、マレーシア館へ。ここの「ロティーチャナイ」が結構美味しいと評判だったので、食べてみたかったのです。
ナンとちょっと違う、軽くもっちりした「ロティ」という、なんだろう、小麦粉にベーキングパウダー入れて練って広げて焼いて熱いうちにくしゃくしゃっとしたようなもの（なんだそれは）に2種類のカレーをつけて食べるものでした。なんか1日カレー食ってた様な気もしますが。
お箸つけてくれたんですが、お箸じゃロティちぎれないよ。
これは普通に美味しかったです。大した量に見えなかったんですが、途中でかなりお腹いっぱいに。ビールのせいか（お前・・・）。
食べてる途中で「ロティ」という言葉に聞き覚えがあることに気がつきました。当然マレーシアに行った事など無いのですが。記憶を必死に手繰り寄せて漸く思い出した。
そうだ、金子光晴（マレー蘭印紀行/中公文庫）だ！
大変嬉しくなり、帰宅して確認したら
『毎朝、芭蕉二本と、ざらめ砂糖と牛酪をぬったロッテ（麵麭）一片、珈琲一杯の簡単な朝の食事を〜』
「ロッテ」だった・・・記憶デタラメ。
ガソリン補給したので、少し元気が出てきました。もう少しどこか回ろうと地図を見ていたら、ちょっと外れた所に「水木しげる館」があることを発見。行かなきゃ!!
正直に言いましょう。ここが一番面白かった（←あっ！）お土産物も大変充実。
ここでやった200円のガチャガチャが私の自分自身への唯一のお土産になりました*2。境港行きたいなあ*3。
最後の最後で満足し、7時過ぎに帰宅の途へ。午後からの雨でジーンズは色が変わって重くなり、スニーカーの中も歩くたびに水音がするような状態です。
名古屋駅で新幹線に乗り込み、自由席にも関わらず座る事ができ、やれやれ、と一息ついたものの何かおかしい。アナウンスがありました。
「静岡〜新富士間で雨のため新幹線全線運行見合わせ中です」
なんですってえええ！！！！
あわてて自宅へ電話してみると、やはり盥をひっくり返したような雨だということ。そりゃ富士川橋通れないわなあ。富士川増水しやすいし。でも、そんなに長い時間止まる事も無いだろう、と楽観していたのですが、まさか3時間もストップするとは思いもしませんでした。寒かった・・・。
結局帰宅したのは午前2時半。
色んな意味で忘れられない万博でございました。
