不覚

原作から読むか、映像から観るか、というのは、人によって違うし、その対象になる作品によっても変わります。魅力的なキャストに引かれて予備知識として原作を読んだり、既に原作を読了していたら映像化された場合、観るか観ないかの選択しか残されていないし、映像から入って原作読んだもののやっぱ映像のほうがわかりやすくていいや、と思う人もいると思います。もちろんそのまま原作のほうにハマる人も。

さて

「今現在読んでいて、今まさにクライマックスにさしかかろうとしている所」


だった場合はどうしたら良かったのでしょう。「火の粉」(雫井脩介幻冬舎文庫)です。テレビでドラマやってましたね。ドラマ化なんて知らなかったよ。知ってたらなんとしても読み終わってたのに!


ミステリの犯人を初めに知っちゃっても全然気にしませんし、むしろ最後を読んで安心して頭から読むことすらあります。邪道な事は自覚しておりますが。でも途中で視覚で取り入れるのは嫌なんですね。表現が固定されて想像の余地がなくなるから。読了して自分の中で決着がついている作品は完全に原作と切り離して全身で楽しめます。「原作ではこうだったのに」とか不満に思うことは、よっぽど酷い場合以外は無い。
結局ドラマは観ませんでした。なんで読んでる途中でやるんだよう。直前に気がついたからビデオ録画する気力も生まれなかったじゃないか。